デジタルカードゲーム談話室ハイジ亭

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【発掘】実況プレイ動画Part61 sims劇場

こんにちは。実況プレイ動画再生数9999以下ランキングを制作していたぶるうすです。
このブログでは再生数がそこそこでも面白い動画はたくさんあるという趣旨でたくさんの実況プレイ動画を紹介しています。
発掘の趣旨に関してはこちらをご覧ください。

第六十一回目は、sims劇場を紹介します
sims劇場とは、ザ・シムズシリーズを利用したドラマ形式の動画です。厳密に言うと実況プレイ動画ではないのかもしれませんが、ゆっくり実況から派生したゆっくり劇場動画と同じジャンルと考えられます。自分はこれまで数年に渡り実況プレイ動画を見てきました。がどうしてこんなにも面白い動画を発見することができなかったのだろうという悔しい思いでいっぱいです。また最近は実況プレイというジャンル自体が衰退しつつあるという記事を書きました。正直自分自身、見るのも投稿するのも飽きてきていました。それがこの動画を見て、まだ実況動画の未来に可能性はあると思い直すきっかけになりました。まずはご覧ください。



ゲーム内のスクリーンショットとカメラワークだけでこの動画を作ったと思うとそら恐ろしい能力のうp主。本当に映画が好きで何百本もの映画を見て映画的演出というのはなにかというものを心得ていてそれを実践している。およそ素人とは思えません。かつて『ほしのこえ』というアニメを一人で作ったということで話題となった新海誠監督がいますが、それと匹敵するだけの作品であると個人的には思います。

ではまずはThe Sims 3というゲームの紹介から。
自分はプレイしたことがないのですが主にPC版で発売されているシミュレーションゲームです。都市を作るシムシティは有名です。その都市をもっと小さく街単位にしてそこで暮らす人々(シム)を観察して遊ぼうというものです。自由度が高くなんでもできるしユーザーの数だけ遊び方があるという点ではマインクラフトに近いかもしれません。マインクラフトよりもより人物や建物がリアルに表現できてバトルがないゲームといえばよいでしょうか。あと基本的におおまかな指示しか出せず、シムは性格づけすると勝手に人間らしい行動をするのです。そんなシムズ実況動画を点々としているうちに辿り着いたのが上の動画でした。

さてこのsims劇場の場合はというと、なんでもできるというゲーム性を利用して本格ドラマを作り上げてしまったのです。茶番やコントをする一発ネタなどの多いゆっくり劇場というジャンルもありますが、こちらは本格海外ドラマ並みのクオリティです。
まず登場人物の多さとその造形がすごい。市販の小説であっても登場する人の数は10人程度。素人の書く物語であったら3-4人程度が関の山でしょうが、ヴェローナ・ストライプスでは50人以上。そのどれもが個性的で魅力がありキャラ立ちしている。さらに本当にどこかにいそうなかっこいい外人ぽくシムを作り上げているのです。これだけでいったい何時間かけているのでしょうか。一般のゲーマーが同じゲームでキャラを作ると、まあたいていPS2くらいの時代の洋ゲーのララ・クラフトっぽくぶさいくなものしかできません。うp主はMODというものを駆使してめちゃくちゃかっこよく美しいキャラクター作りをしています。特に主人公のヴェローナ・ストライプス。かわいすぎる。そして性格がまっすぐで垣間見える能力が桁違い。惚れてしまいます。一人ひとりのキャラのネーミングも抜群。某映画の何々からとか知れば知るほどうp主の博識に感服します。

次に選曲のセンス。たいていロックな洋楽ばかり使いたく鳴るものですが、洋邦問わずクラシックまでなんでもカバーしている様子。場面にあった選曲がほんと素晴らしいです。視聴者からの問い合わせに応えるように、使用したサントラのみを集めたサントラ動画までうpしてくれています。自分もこのオープニングのBGMとして使われているNightwishをはじめて知りましたがそれからNightwishを聴き漁りいまや毎日聞くほどヘビーローテションになっていましました。

それからカメラワークと演出。このプロローグの第0話はオープニングも兼ねているということもあり盛りだくさんのキャラを紹介しているのですがその一人ひとりに迫る画面が、引きから一気にアップへという演出でかっこよくしびれる。字幕のテロップ文字もふわっと表示されふわっと消え、さらに文字の一部が動いたり揺れたりとにかくオシャレ。映画を意識していて通常横長の16:9の画面構成よりさらに横長のシネマサイズ(1:2.35)で動画を作っているこだわりぶり。画面が徐々に横に移動したりするパン・チルト・ロールも過剰にはせず映画的に見えるような抑えめな演出にしている。これが本当に素人なのだろうか…。

さらにシナリオ。
自分は、古くはフルハウスからインディ・ジョーンズ若き日の冒険、ER、24、最近ではロストやザ・フォロイング、フリンジ、ウォーキンデッドなどを見るかなりの海外ドラマ好きなのですが、近年見たどのドラマよりもシナリオが面白いです。ワクワクするというか先が気になるというか脚本構成が見事としかいいようがない。ユーモアもありミステリーもありラブコメお色気もありとてんこもりでいて破綻していない。一言でいうならば『海外ドラマ好きの日本人のために、日本人が作った海外ドラマ』といえるのではないでしょうか。お遊び要素として、赤木しげる両津勘吉すーぱーそに子をオマージュしたキャラも登場しそれなりの活躍をさせています。はっきり言ってシムなので演技は大根、声は棒読み(棒読みちゃんを使ってるので当たり前)。なのにこれだけ引き込まれるのはなぜだろう。うp主を監督としてそれなりの声優をあてて完全版ドラマを作って欲しいと思っているのは自分だけではないはずです。最後にセリフ。『使命とは命を使うと書く』『完璧は目標ではなく前提である』(ともに第一シーズンより)など印象的な言葉や名セリフがあちこちに散りばめられています。そしてそれが見事伏線になっていたりする…。いやあ巧いですホント。

ただ残念なのは、更新速度。これだけのクオリティのものを作るのはそれはそれは大変な労力。現在うp主自身がプライベートな問題で多忙であるというのはありますが、1年半でまだ6話。あと何話で完結するのかは不明ですが首を長くして待ちたいと思います。そんなときに最適なのが、このヴェローナ・ストライプスの前作にあたる、ルーニーとクリスタラインの割と優雅な生活。


こちらは全15話で完結しています。しかもヴェローナ・ストライプスと関連のある登場人物も多数出演するので予習しておくとよりよいかと思います。うp主のしゅんまお氏はこのルーニーとクリスタラインが初投稿の動画だというからまたすごい。こちらは勢いにのって半年で15話完結という超スピードだったようです。どんだけこの動画に日常時間をかけていたのでしょうか。恐れいります。それでいて視聴者サービスもあり、視聴者からのイラストを、動画内の場面転換のアイキャッチに使用してくれるという機転の利かせ方。そのイラスト郡もわりとクオリティが高くてすごいですよ。今ならヴェローナ・ストライプスのイラストを描いて送れば採用されるかも?絵師さんたちは腕の見せどころです。

これらの動画があまりにも面白すぎてこの1ヶ月、しゅんまお氏の動画を手当たり次第みまくって時間が過ぎている毎日です(冒頭で紹介したプロローグ動画はもう10回以上何度も繰り返しみています)。で、もっと面白いsims劇場動画があるはずだとタグ検索をしてみましたがあまりぱっとしません。おそらくこのジャンルはしゅんまお氏が最初で最高峰なのだと思います。こちらを見ていれば他はあまり探す必要ないようです。⇒探し方が足りなかったようです。ユーモアのセンスが光るぴぃた氏の作品はこちら⇒


(追記)他にも、ここ最近流行の人狼をドラマにしたはむかつ氏の作品も、編集とカメラワーク・選曲のセンスが素晴らしいです。またアンズシアター氏の孤独の人生生活。Part1はただのコミュ症特質シムを眺めよう的な趣旨だったようですが回が進むごとに孤独とは、家族とはを深くえぐり、心や内面の傷つけ合いが激しい怪物たちの人間ドラマに仕上がりつつあります。


となればもう自分で作るしかありません。ちょうど2014年9月にシムズシリーズ最新作のPC版The Sims 4が発売されます。初プレイですが購入して遊び、動画作りに挑戦したいと考えています。誰しも自分の好きなアニメキャラやゲームキャラがいると思います。例えばFF7クラウドセフィロスとか、ドラゴンボールまどか☆マギカなど。自分の場合はカルドセプトです。セレナやレオやゴリガン、ピケット似のキャラを作って、彼らの日常を外から眺めるというサザエさん的実況プレイ動画を作ることができるのではないかという妄想が広がっている所です。興味があったらいろんな実況者さんにも挑戦してもらいたいゲームです。

貧弱な自分の語彙力では、面白い・スゴイという言葉でしか言い表せませんが、現在の実況プレイ動画に飽きてきた視聴者、引退しようとしている投稿者にこそ是非見てもらいたい動画として紹介させてもらいました。
sims劇場という新たなジャンルを切り拓いてきたしゅんまお氏を応援しています。
参考までにただものではないうp主。その一端がかいまみえる記事はこちら

ちなみに先月の実況プレイpart1リンクのタグが付いた動画は1589本。再生数999以下が1440本(91%)でした。




ではまた。
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